今夜のポイント
ピンクノイズは、雨や波のような、低めの“ザー”という音のこと。眠りとは相性が良いと考えられていて、ホワイトノイズより睡眠に向くという研究もあるんだ。今夜は、心地よいと感じたら、そっと流してみて。
眠れない夜、シーンと静まりかえった部屋が、かえって落ち着かないことはないかな。小さな物音が気になったり、静けさの中で、考えごとばかりが大きくなったり。そんなとき、頼りになるかもしれないのが「ピンクノイズ」という音なんだ。
ピンクノイズって、どんな音だろう
実は、音には“色”の名前がついていることがある。よく知られているのは「ホワイトノイズ」── すべての高さの音が均等にまざった、シャーッという、少し硬い砂嵐のような音だ。
いっぽうの「ピンクノイズ」は、低い音が強めにまざっている。だから、もっとやわらかく、自然な“ザー”という響きになるんだ。雨だれ、川のせせらぎ、寄せては返す波、木の葉のざわめき ── 自然界にある音の多くは、このピンクノイズに近い。だから人は、本能的に心地よく感じやすい、とも言われているよ。
ピンクノイズは、眠りにいいの?
以前、40Hzという周波数の話をしたとき、「眠りに効くとは、まだ証明されていない」と正直に伝えたよね。でも、ピンクノイズについては、もう少し前向きな研究があるんだ。
こんな研究がある
ピンクノイズには、外の物音をやわらかく覆い隠して、眠りの妨げを減らす働きが期待されているよ。睡眠と音をまとめて調べた研究では、ピンクノイズは調べられた研究の8割以上で睡眠の改善が報告された一方、ホワイトノイズでは3割ほどだった、という結果もあるんだ。ピンクノイズのほうが、眠りとは相性が良いのかもしれないね。
出典:睡眠と音に関する系統的レビュー(Journal of Clinical Sleep Medicine, 2022)こんな研究がある
アメリカ・ノースウェスタン大学の研究では、高齢の方が眠っているあいだ、深い眠りの脳波に合わせてピンクノイズをそっと流すと、深い眠りが増えて、翌朝の記憶テストの成績も良くなった、と報告されているよ。ただし、これは少人数の研究で、効果には個人差もあった。これから、もっと大きな研究で確かめていく段階なんだ。
出典:Papalambros et al., 2017, Frontiers in Human Neuroscienceこうして見ると、ピンクノイズは、”静けさが苦手な夜”の、やさしい味方になりうる音なんだ。とはいえ、研究の質はまだ発展の途中で、効き方には個人差もある。だから「これを流せば必ず眠れる」ではなく、「合う人には、心地よい選択肢のひとつ」── それくらいの距離感で受けとってもらえたら、ちょうどいいよ。
| ホワイトノイズ | ピンクノイズ | |
|---|---|---|
| 音の質感 | すべての音が均等で、シャーッと硬め | 低い音が強めで、やわらかく自然な“ザー” |
| たとえると | 砂嵐、換気扇のような音 | 雨、川のせせらぎ、波の音 |
| 睡眠の研究では | 改善の報告は3割ほど。大きな音だと逆効果という指摘も | 改善の報告が8割超。ただし研究の質はこれから |
| 向いているかも | とにかく物音を、強く覆い隠したい人 | 自然な音で、やさしく包まれたい人 |
心地よく使うための、小さなコツ
もし試してみるなら、いくつか覚えておいてほしいことがあるよ。まず、音量は小さめに。静かな雨くらい、耳をすませば聞こえる程度で、じゅうぶんなんだ。大きすぎる音は、かえって眠りを妨げてしまうこともあるからね。
流す時間は、一晩中でも、眠るまでのあいだだけでも、好みでいい。そして何より、「眠るために頑張る道具」にしないこと。“これを聴かなきゃ眠れない”と気負うと、眠りはまた逃げていく。あくまで、心地よさの、おまけくらいに思っていてね。
そっと、ひとつだけ
音の感じ方や、合う・合わないには、個人差があります。心地よいと感じる音量も、人それぞれでいいんです。ただ、大きすぎる音は耳の負担になることもあるので、小さめを心がけてね。そして、眠れない状態が長く続いたり、つらさが大きいときは、一人で抱えこまずに、お医者さんや専門家に相談してみて。
今夜は、静けさと戦わなくていい。雨や波の、やさしい音に、そっと身をあずけてみて。この音の中から、あなたが心地よいと思えるものを選んで、ただ、流しておくくらいで、ちょうどいいんだ。
そして、もし「今夜の自分には、どんな音が合うんだろう」と気になったら、よかったら気分診断をのぞいてみて。今夜のあなたに寄り添う、夜の過ごし方と音楽を、いっしょに探すよ。
おやすみ。
ねむ / 快眠LABO